Home > ローファイなtwitter「ムンバイなう。」

ローファイなtwitter「ムンバイなう。」

  • Posted by: VUELO
  • 2010年7月29日(木)
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

東京オフィス・卯月です。

twitterの書籍化。
正直、その肩書きだけでおなかいっぱいになってしまうような気もしないではないのですが、U-zhaan氏(ASA-CHANG&巡礼などで活躍していたタブラ奏者)の著書が面白かったのでご紹介。

「ムンバイなう。インドで僕はつぶやいた」著 U-zhaan(ユザーン)

タブラ修行のため毎年インドに渡っているU-zhaan氏が、昨年12月から約3ヶ月の間滞在していたムンバイよりリアルタイムでつぶやいた生活の記録に、大量の写真を加えて書籍化したもの。
インドの人はとにかく適当である。約束はだいたいやぶる。ミスをしても謝るどころか笑う。他人の料理も勝手にカレー味にしてしまう...。いちミュージシャンに「今いちばん欲しくないもの。刺激。」とまで言わせたインドの本当の姿が、本人のいやに冷静な語り口でユーモラスに描写されています。
日を追うごとに(インド人の身勝手のせいで)ドラマチックになってゆく展開は、twitterならでは。とは言うものの、本書の魅力は単純にU-zhaan氏の表現力によるところが大きいのではと思う。リアルタイムで見た人が一番楽しめたであろう事は容易に想像できるが、この内容ならきっとどの媒体でも面白かったはず。事実、今も日本(主に川越)から発信されているU-zhaan氏のつぶやきは、毎日が驚きと脱力に満ちています...。

もしもtwitterの特徴をそのまま生かした書籍をつくるとしたら、どのようなものになるだろう。
リアルタイムで少しずつ更新される小説。キャラクラー同士のかけあいから紡がれる物語。botによるアリバイ作りがキモの殺人事件(これは無理そう...)。
技術ありきの書籍というと岩井俊二「リリィ・シュシュのすべて」がまず思いつきます。ミュージシャンのファンサイトBBS上で展開される小説で、他者とのコミュニケーションの上で物語が紐解かれてゆく仕組みにかなりドキドキしたのを覚えています。「システムを利用することによって発生するドラマ」という点では、ほんの少しゲームに近いのかもしれません。

今後はtwitterのようなリアルタイム性を生かした電子書籍などが台頭してくるのでしょうか。現在市民権を得ているblog本など、「webコンテンツの書籍化」というひとつの文化の行く末が気になります。

Comments:0

Comment Form

Home > ローファイなtwitter「ムンバイなう。」

Return to page top