本社スタッフは、店舗運営や新規出店を
強力にバックアップする「縁の下の力持ち」です。
オリジナル商品を安定して提供するための原材料手配や、
鉄道・商業施設に出店するための法人との交渉、そして法務、
財務、システムと多彩な分野のエキスパートが集まって
ファミリーマートというブランドを守り育てています。
私は大学を卒業したあと食品商社で2年間営業を経験し、医療機器メーカーに転職。海外事業部に所属し、7年間勤務していました。仕事に不満はなかったのですが、残念ながら経営状態が悪化してしまい、転職せざるを得なくなりました。
前職では仕入れから販売までを一貫して担当していましたので、培った交渉能力と多角的な視点を生かせる会社を探していたところ、出会ったのがファミリーマートでした。身近な存在ですし、親しみ深い食品に携わることができることに魅力を感じて、入社を決意しました。
ただ、食品商社の勤務経験があるとはいえ、食材の知識は決して多くはないので不安がなかったわけではありません。しかし、前職の医療機器メーカーでも知識ゼロからのスタートでしたが、しっかりと勉強して対応することができました。その経験があったからこそ、前向きに新しい分野へチャレンジできたのだと思っています。
現在はパンと、サンドイッチなどの調理パンに用いる食材の調達を担当しています。驚いたのは、ひとつひとつの食材に驚くほど多くの人が携わり、「おいしくする」ため常にリニューアルを行っているということ。たとえばサンドイッチに挟むハムやチーズも本当にたくさんの種類があって、厚さを変えたりパンの配合を変えたりと試行錯誤を繰り返しています。
また、一言で食材の調達といっても、店舗は国内だけで約1万店ありますから、欠品は絶対に許されませんし、少し読み違えただけでも影響が出てしまいます。賞味期限が短い食材もありますので繊細な管理が求められます。また、同じ食材をパン以外の商品で使うこともありますので、社内はもちろんメーカーやベンダーと緊密に連絡を取り合う必要もあります。常に多方面に目配りをして、最適な施策を行う――。前職でも心がけていたことですが、スケールが大きいだけによりスキルが磨かれたと感じています。
つくづく思うのは、当たり前のように全国の店頭に並ぶ商品が、どれだけの苦労の結晶なのかということです。それだけに、自分が開発に携わった商品が店頭に並ぶと本当にうれしいものです。お客さまが買ってくださる姿を目にしたり、「あれおいしいんだよ」などと話題になっていたりするのを目の当たりにした喜びは格別。ゆくゆくは「ファミチキ」のように、その商品を目当てにお客さまがファミリーマートを訪れてくださる、そんな看板商品を生み出すのが、今後の目標です。
そのために、メーカーからの情報収集はもちろん、テレビやメディアでのトレンドチェックは欠かさず行っています。もちろん、食材の調達などシビアな部分もありますが、同じ部署やチームの人たちと話題のお店を回って市場調査を行うなど、ただデスクワークや会議だけでない仕事を幅広くできるのは、商品開発の醍醐味だと思っています。
※職位・職責・所属・記事の内容は取材当時の情報になります。